カリフォルニア大学バークレー校のMatthew WalkerとEls van der Helmの研究(Psychological Bulletin, 2009; Current Biology, 2011)により、レム睡眠が「ストレス神経化学物質のない環境」で感情記憶を再処理することが分かっています。
**一晩の回復睡眠により、健常者の不安レベルは正常に戻ります。**
十分な睡眠後の朝の脳は:
– 扁桃体の過剰反応が収まっている
– 前頭前野による感情制御が機能(Motomuraら, 2013)
– ワーキングメモリ容量が回復
– 注意制御がスムーズ
「夜できなかったことが、朝ならできる」のは、脳の状態が根本的に違うからです。
## 実践:今夜から始める4つのステップ
1. **夜9時以降は決断しない**
不安が高まる時間帯。重要な作業は朝に回す
2. **寝る前に明日やることを3つ書く**
心配事を頭から出して安心して眠る
3. **朝一番の30分を最重要タスクに**
脳が最もクリアな時間を効果的に使う
4. **小さな成功体験を積む**
朝できた経験が自信を育てる
## まとめ
先延ばしは意志の弱さではなく、不安による脳の機能低下という生理的な問題です。
**夕方の不安 → 睡眠不足 → 脳の機能低下 → 朝の行動力低下 → 先延ばし → 不安増加**
この悪循環を断ち切る最も確実な方法は、「夜は早く寝て、朝やる」こと。
一晩の回復睡眠が不安をリセットし、朝の脳がクリアな状態で行動できるようにしてくれます。
明日の朝、新しい自分でスタートしませんか?
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**参考文献**
– Jochmann et al. (2024). Journal of Affective Disorders
– Steel, P. (2007). Psychological Bulletin
– Bui, N. H. (2007). 不安と先延ばしの実験研究
– Bach, D. R. (2015). 行動抑制の計算神経科学
– Moran, T. P. (2016). 不安と実行機能のメタ分析
– Yoo, S. S. et al. (2007). Current Biology
– Walker, M. P. & van der Helm, E. (2009). Psychological Bulletin